ジュニア期は脳の神経可塑性が高く、感覚運動統合が発達する時期であり、しなやかなラケット操作を習得する最も効果的なタイミングです
シニア期では神経可塑性が低下し、新しい技術の習得や動作の切り替えが難しくなるため、若いうちに幅広い技術を経験しておくことが将来的な競技力の差につながります
1.神経可塑性が高い時期に多様な刺激を与えることの効果
ジュニア期は脳の神経可塑性が高く、新しい動きや技術に対して柔軟に適応できる時期です
多様な技術(ネット前のフェイント、デセプションなどのテクニック)を経験することで、脳内に多様な運動パターンが形成され、技術の引き出しが増えます
これにより、試合中の状況判断や戦術的対応力が高まり、創造的で柔軟なプレーが可能になります
2.感覚運動統合の発達
ラケット操作には、視覚・触覚・筋感覚(固有感覚)など複数の感覚情報を統合する能力が求められます
ジュニア期はこの感覚運動統合の発達が活発な時期であり、複雑な操作を学ぶのに最適です
しなやかな操作を習得することで、感覚と運動の連携がスムーズになり、精度の高いプレーが可能になります
3.運動野・小脳・前頭前野の活性化
多様な技術を習得することで、脳の運動野(動きを司る領域)や小脳(精密な動きの調整)が活発に働きます
また、技術選択や判断を伴う練習は、前頭前野(思考・判断・計画)の発達にも寄与します
これらの領域がバランスよく発達することで、技術だけでなく戦術的思考力も育まれます
4.技術の汎用性と応用力の向上
多様な技術を身につけることで、状況に応じた技術の使い分けが可能になります
これは脳が「技術の選択と切り替え」を学習することで、応用力や判断力が高まることを意味します
シニア期に入ってから新しい技術を習得しようとしても、既存の動作パターンが強く定着しているため、切り替えが難しくなる傾向があります
5.技術習得の幅が広いほど、脳のネットワークが強固になる
多様な技術を習得することで、脳内の運動関連ネットワークが広く・強く・複雑に構築されます
これは、将来的に新しい技術を学ぶ際にも、既存のネットワークを活用して効率よく習得できる土台となります
6.悪い癖が定着する前に正しい技術を習得する
ジュニア期に正しいラケット操作を身につけることで、力任せの打ち方や無駄な動きが定着するのを防げます
シニア期になってから悪い癖を修正するのは非常に困難で、時間も労力も多くかかるため、早期に正しい技術を習得することが理想的です
月曜日トレーニング(9月29日)
