スポーツの本質


スポーツの語源は、ラテン語のdeportareからフランス語のdesporterへと伝わり、イギリス英語sport(アメリカ英語sports)になりました

 

広義の意味は、「遊戯」、「気晴らし」、「楽しみ」であり、ルールを設けて競争することを指します

 

スポーツには、仲間を集い、生涯を通じて体を動かすことを楽しむ「レクリエーション・スポーツ」と、戦略的思考を有して心身を鍛え、優勝目指して取り組む「チャンピオンシップ・スポーツ」があります

 

いずれのスポーツにおいても「ルールを守り楽しむ」ということが重要になります

 

バドミントン競技では、2012年のロンドンオリンピックにて「無気力試合」という問題が生じました

 

当時世界ランキング1位の中国ペアがグループリーグを1位通過してしまうと、他のグループリーグを2位通過した中国ペアと準決勝で当たることになり、決勝まで対戦を避けるためにわざと負けて2位通過しようとしたことが事の発端です

 

同様な理由にて、韓国の2ペア、インドネシア1ペアもわざと負けようとプレーしたことにより、計4ペアが失格となりました

 

この騒動から準決勝で強敵と当たることを避け、決勝まで進出できる確率を高くするためにわざと負ける行為はなぜいけないのかという議論が生じました

 

失格処分の理由は、世界バドミントン連盟の規約違反、「勝つために努力を怠る」「スポーツ精神に反する行為」に該当するとして処分が下されました

 

競わずにわざと負ける行為、八百長といった勝ち負けが決まってしまう行為、相手を罵倒する行為などは、競争をより楽しむためにルールを設けたという「スポーツ」の本質から反した行為です

 

このことを教訓とし、勝つことに執着しすぎて本来のスポーツとしてあるべき姿を見失うことがないように気をつけなければいけません

 

 

スポーツには、身体技能の向上を目指す「体育」、運動に関わる知識の獲得を目指す「知育」、スポーツ選手としてあるべき姿やルールを順守することの意義の理解など、道徳的精神の獲得を目指す「徳育」があります

 

日本では「スポーツ」と「体育」が混在していますが、スポーツ教育の中に「体育」「知育」「徳育」が含まれます

 

戦前からスポーツという言葉は日本にありましたが、戦時中の軍事訓練の中で「徳育」「知育」を除いた「体育」という言葉が単独で用いられるようになりました

→上官の命令に絶対服従の兵士を育成するため

 

昨今、日本ではラグビーワールドカップ、オリンピックなどの国際的なイベントが多く開催されています

 

そのような中で、「体育」≒「Physical Education」は訓練を想起させる言葉であることから「スポーツ(Sports)」への名称変更が多く行われています

 

・日本体育協会から日本スポーツ協会に変更(2018年)

・国民体育大会から国民スポーツ大会に変更(2023年)

 

日本のジュニアスポーツをみると、スポーツ=「しつけ」の場のようになっています

 

練習中は笑ってはいけない、個性が育まれない集団行動、過度な礼儀や挨拶、監督・コーチにはすべて「はい」と答える、、、そのような環境で育った子どもは将来大人になっても同じようなことを繰り返します

 

体罰、過度な上下関係、後輩や部下へのパワハラ、、、嫌な上司になりますね

 

現代社会では大問題になります

 

本来のスポーツは人生を豊かにし、楽しいものです

 

バドミントンを楽しみましょう(*^-^*)

 


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