脳の運動指令のミスがケガの原因??


運動時の姿勢制御の方法には2種類あります

 

体性感覚、前庭系、視覚から情報を得て、身体操作のズレを随時調整しながら姿勢制御を行う方法を反応的姿勢制御といいます

 

体性感覚:足底面から触覚や圧覚の情報

前庭系:耳の奥にある三半規管と耳石器の感覚器官にて頭や身体の位置を感知

視覚情報:姿勢保持に関わる情報の70%~80%は視覚から得ている

 

一方、ラケットを振る際には事前に下肢の筋が活動し、態勢が崩れないようにします

 

これは視覚から得た情報を基にこれから起こる運動を予測し、姿勢の安定性に関わる筋に事前に指令を出すことで生じます

 

この方法を先行随伴性姿勢制御といいます

 

自らの意思により身体を動かす随意運動の場合、脳からの運動指令は外側皮質脊髄路を通り筋に伝わります

 

一方、無意識化で行われる先行随伴性姿勢制御の運動指令は鋼様体脊髄路を通り筋に伝わります

 

速い動きや不慣れな動きをした際には、運動指令にミスが生じケガをします

 

 

バドミントンの場合、相手の動作をみて、どこにシャトルが打ち放たれるかを予測します

 

一方、相手は予測を裏切る打ち方をします(デセプション;いわゆるフェイントのこと)

 

例えば試合では、相手の打ち方をみて脳はフォア前への移動を予測するものの、実際にはバック前に打たれるといったように予測と実際のシャトルの軌道が異なるという状況が生じます

 

このような時に足関節を捻るといったケガをします

 

また、後方でスマッシュを打った後にネット前に移動する場面やサイドに飛びついてスマッシュを打った後に相手の返球に備えて方向転換をする場面にて膝が捻じれて靭帯を損傷する危険性が高まります

 

いずれも高速での運動時に生じる姿勢制御に伴う脳の運動指令のミスが原因です

 

微細な姿勢制御を向上させるトレーニング(バランストレーニング)、高速運動時の方向転換のトレーニング(SAQトレーニング)、捻挫予防のために足関節の外反筋力を向上させるといった機能的な改善を目的としたトレーニング(ファンクショナルトレーニング)など、色々なトレーニングをしていくことで脳の運動指令のミスが生じにくくなります

 

トレーニングの理論や目的に関する知識を増やしていくことが重要ですね

 

子ども達にも伝えていきます


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