研究発表
今日は、私の勤め先である健康科学大学の学内研究発表会でした。
医療系の先生方の演題に混じり、私は「バドミントン選手のヒラメ筋H反射の特性」について発表しました(^_^)
バドミントン選手は、なぜ瞬間的に飛んできたシャトルに反応し、動き始めることができるのかについて、検討したものです。
方法は、電気刺激を膝裏に与え、その反応から脊髄運動神経細胞の興奮性を評価するというものです。
人の身体が動く際には、まず脳から指令が出て、その指令が脊髄にある運動神経細胞を通り、さらに運動神経を伝って、筋に指令が伝わることで手や足は動きます。
つまり、脊髄にある運動神経細胞が活動することで筋が収縮するということです。
立位時には筋が収縮していた方が立ちやすいので、一般的に脊髄運動神経細胞の興奮性は高いです。
しかし、バドミントン選手は、構えている時にこの細胞の興奮性を小さくしているということが分かりました。
この理由として、構えている時に下肢の筋が収縮していた場合、素早く動き始めることができないからです。
バドミントン選手は、瞬間的に動き始められるようにするために、脊髄運動神経細胞の興奮性を小さくした状態で構え、脳からの命令に対応しやすくしているという話をしました。
皆様には、専門的なことで少し分かりづらいかもしれませんが、日々このようなバドミントンに関する研究をしています。
上手い人と下手な人の動き方が違うということは目で見て分かります。
今回の実験で、目で見ても分からない細胞の活動の違いについて発見できたことが面白かったです。
このように研究をしていくことで、今まで分からなかったことが分かり、新たな科学的理論に基づく練習方法を考えることができます。
筋肉を鍛えることは今の時代当たり前のことですが、これからは神経や細胞に着目したトレーニングを行うようになります。
先進的な科学に基づく練習を多く取り入れていきたいと思います。