バドミントン学会打ち合わせ(in 大阪)
日帰りで大阪に行き、バドミントン学会で行うシンポジウムの打ち合わせをしました
その中で、認知能力と非認知能力が話題になりました
認知能力は勉強ができる、スポーツができるといった成果として結果が示される能力である一方、非認知能力は社会で生きていくために必要な能力のことを指します(言葉使い、コミュニケーション、他者を思いやる心など)
指導者が教え子を勝たせたいという気持ちを持つのは当然のことですが、スポーツを通して培われるべき非認知能力を疎かにしてはスポーツ教育の意義がありません
何のためにバドミントンを行うのか、どういう人材を育生したいのか、指導者に求められる資質を再確認できる有意義な打ち合わせができました
この一年、バドミントン学会設立に向けて奔走し、授業、研究、法政大学バド部の仕事、ジュニアの指導、関東学連の業務、日バの講習会が合わさり、忙しさから挫折しそうになりましたが、何とか学会が設立できる所まできました
大変な思いをした分、達成感もひとしおです✨✨
私が学部生の時に経済学の授業で先生が「最初のペンギン」の話をしてくれました
ペンギンは餌を取るために海に潜って魚をとりますが、海の中には天敵となるシャチやアザラシがいるため、自分が食べられてしまう危険性があります
そのため氷の淵に集団で立ち、中々海に潜ることができません
その中で勇気ある一頭が海に飛び込みます
天敵に食べられてしまうペンギンもいます
そのような状況で魚を捕まえて戻ってくるペンギンが群れのリーダーになるそうです
このペンギンの生態を事例に、経済学では誰もやったことのないことを勇気を出して挑戦し、成功した人のことを「最初のペンギン」と例えます
この話を聞いて、自分も「最初のペンギン」になりたいと思い、大学院進学を決意し、博士号を取ろうと考えました
その後もジュニアを立ち上げよう、バドミントン学会を作ろうと繋がっていきます
だれもできないこと、やれないことを最初にやる、その分苦労は多いが成果も大きい
しかし一方で、成果を出すことを追い求めすぎると失敗することが多いように思います
大学教員の評価は論文数できまります
年間何本論文を書くかが重要になります
特に教員に成り立ての20代の時は論文数がノルマとして重くのし掛かり、研究を楽しめなくなる時がありました
徐々に論文数や社会的活動といった業績が増えてくると余裕が生まれ、知識も増え、研究を楽しめるようになりました
バドミントンの指導も最初は結果を出したいという焦りがありましたが、インカレで優勝する経験を通して勝ち方がわかるようになり、焦りがなくなってきました
大きな成果を出したいと考えると、大概はプレッシャーで思うように動けなくなることが多かったように思います
今はバドミントンの指導や研究を楽しむ、誰かのために奉仕する心で取り組めるようになり、このような非成果主義的な動機から取り組むことの方が結果的に大きな成果が得られているように感じます
ジュニアの指導でもバドミントンでの優勝を単に煽るよりも、バドミントンが楽しいと思える気持ちを育む方が自ら前向きに努力できるようになるので、結果的に優勝に結び付きやすいような気がします
特に優勝することに固執しすぎると、優勝以外の価値が希薄になり、自信がつかなかったり、精神的な達成感が得られにくく、脳の成長因子であるドーパミンが放出される機会が減少するといった弊害が生じます
大切なことは、その時々の状況に応じた適切な「考え方」を教えていくこと
「考え方」が良くなれば練習の質が上がり、プレーの質も上がります
いずれにしても非認知能力、非成果主義が「最初のペンギン」になるといった大きな成果を出すためには重要だと帰りの新幹線にて振り返りました(^-^)