トレーニング

飛んできたシャトルを打ち返すためには、視覚情報を司る後頭葉でシャトルを認識し、頭頂葉でシャトルの落下地点を測り、前頭葉において打ち返し方を考えます

大脳基底核と小脳ではラケットを振るための筋活動を調整します

それらの感覚知覚情報は、視床を経由して運動野へ送られます

運動野からの指令は脊髄神経、運動神経細胞を経由して、運動神経、筋へと伝わります

神経はニューロン(細胞)が連なってできています

ニューロンから伸びた軸索の先端にあるシナプスからは神経伝達物質が分泌されます

ニューロンの種類により分泌される物質は異なり、筋を興奮させる物質と抑制させる物質の分泌量により筋活動の度合いが決まります

様々な経験(練習)を通して神経伝達物質の分泌量が変化し、ニューロンネットワーク(神経回路網)が構築されることで上手に身体を動かせるようになります

例えば、バドミントンのバックハンドショートサービス

初心者は多くの筋を活動させて行います

→興奮性物質が多く分泌されている

しかしその後、練習を繰り返し行っていくことで次第に無駄な筋活動が抑制されていきます

→抑制性物質の方が多く分泌される

興奮から抑制へ、神経可塑性により筋活動が変化していきます

人の体は約60兆個のニューロン(細胞)からできています

その中にDNAがあります


DNAの2%を遺伝子とよび、人間を形作る設計図の役割があります

残りの98%の部分は遺伝子のon、offを決めるスイッチの役割があります

例えば、走る速さに関わる遺伝子が10個あったとします

実はこの遺伝子はみんな持っています

生まれつき足が速い子供は、最初からこれらの遺伝子のスイッチがonになっています

走るのが遅い子供は、10ある遺伝子のうち、5つがon、残りの5つがoffになっている状態です

でもみんな10個の遺伝子はすべて持っています

トレーニングをしてoffになっている遺伝子をonにすることができれば速く走れるようになります

人は遺伝子のon、offを切り替えることで環境に適応し、赤道直下の暑い場所でも、酸素が少ない山の上でも、極寒の地域でも生存することができました

このような環境に依存した遺伝子変化のことをエピジェネティクスとよびます

甘いものをたくさん食べれば、糖尿病に関わる遺伝子がonになります

勉強をすれば学習に関わる遺伝子がonになります

スポーツの場合は、トレーニングをすることで筋肉を増やす遺伝子やバドミントンに関わる遺伝子がonになります

持ってうまれた才能、いわゆる遺伝子の有無がその人の能力を決めるのではなく、後天的な環境に依存した遺伝子変化、いわゆるエピジェネティクスによって人の能力は決まるということが明らかになっています

運動が苦手な子どもも適切なトレーニングを行うことで必ず運動能力は向上します

法政ジュニアでは専門的知識を有する指導者による脳・神経に着目したトレーニングを行います

 

 

 

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