クールダウンの効果


以下の論文にアクティブクールダウンの効果が書かれています

 

運動後1時間以内におけるアクティブクールダウン(5~15分程度の低中強度のジョグやバイクなど)の効果に関する論文レビュー
Bas V.H. et al. Do we need a cool-down after exercise? A narrative review of the phychophysiological effects and the effects on performance, injuries and the long-term adaptive response. Sports Med, 48(7):1575-1595, 2018.

・生理的効果

→乳酸の除去に効果あり。しかし、乳酸は疲労物質ではないため、早く除去する機能的利点がなく、パフォーマンスに貢献しない。

→遅発性筋肉痛は様々な要因の影響を受け、個人差も大きいことから一般的に効果はない。

→筋損傷の間接マーカーに対する影響については相反する結果があり、多くは有益な効果がみられない。

→神経筋機能、収縮特性、スティッフネス、可動域に効果はない。

→筋グリコーゲンの再合成を妨げる可能性がある。

→2時間以内の免疫システムの回復に効果がある。

→心血管系および呼吸器系に効果がある。

→発汗量、体温調節に効果はない。

→運動後30分のホルモン濃度に影響しない。

 

・スポーツパフォーマンスへの影響

→(同日、運動後4時間)効果はなく、悪影響を与える場合がある。

→(翌日)有益な報告もあれば、有害な報告もある。持久力への影響は不明。

 

・心理的効果

→実質的に影響しない。

 

・長期的効果

→通常は負傷率に影響しない。

→適応応答に影響する可能性がある(論文数が少ないため不明)。

 

まとめると、

一般的にアクティブクールダウンに効果はなく、連続したトレーニングセッションまたは試合日の後半に悪影響を与える可能性があります(筋グリコーゲンの再合成を阻害する)。

 

 

別の論文で、運動後のストレッチに筋肉痛の軽減や故障の発生を抑制する効果はみられないということが報告されています

Herbert D.R. et al. Effects of stretching before and after exercising on muscle soreness and risk of injury: systematic review. BMJ, 325(7362): 468.

 

 

一方、エリートジュニアバドミントン選手を対象に1日2試合(国際大会)をした結果、股関節可動域が低下することや、

Perez M.V. et al. The influence of a badminton competition with two matches in a day on muscle damage and physical performance in elite junior badminton players. Biol Sport, 37(2):195-201, 2020.

 

エリートユースバドミントン選手を対象に1日2試合(国際大会)をした結果、男子の方が女子よりも肩関節可動域が低下することが示されています

Fernandez F.J. The effects of playing two consecutive matches in the shoulder rotational profiles of elite youth badminton players. Phy Ther Sport, 35:56-62, 2019.

 

 

低下した可動域を回復させることを目的にストレッチを行うことは有効そうです

 

 

クールダウン、、、従来の考え方とは大きく異なる知見が得られています

 

当たり前に行っていることが本当に適切な理にかなったものなのか、今一度考えていく必要がありますね(^^)


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